鎖骨骨折

鎖骨骨折は、スポーツ中に多いケガのひとつ。
鎖骨は胸の左右(肩部)に一対ずつあるS字型をした骨で、胴体と腕をつなぎ、胸と肩をまっすぐに保つ支柱の役目がある。
鎖骨は皮膚表面近くにあり、外観からもその存在を確認できる。(鎖骨美人という言葉があるくらいだ)

鎖骨は長い骨で、形状もS字型ということで折れやすい。
そのため、鎖骨骨折は全骨折の約10%を占めるほど一般的なケガである。鎖骨の下には重要な神経や血管があるが、骨折によってこれらが傷害を受けることは少なく、治療は容易である。
骨折の原因は、転倒や衝突などによって腕が受ける不自然な方向への力や肘・肩への衝撃。
折れる瞬間、ボキッ!という音を聞くことも多いし、皮膚表面にある骨なので、外側からの観察でも容易に骨折を確認できる。病院では、レントゲン撮影での確認が一般的だ。

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<骨折時のレントゲン写真>

乳幼児では遊んでいる時に折れてしまうことがある。着替えなどで痛がるようであれば、鎖骨骨折を疑ってみることも必要だ。
学齢期には、遊びとともにスポーツ中の事故も多い。
おとなはスポーツ中が多い。また、自転車・バイクなどの転倒事故やその他交通事故によって、鎖骨に無理な力が加わり、骨折に至ることもある。交通事故の場合、開放骨折のことも多く、単純骨折に比べ完治に時間がかかるようである。
さらに、これら外来からの衝撃による骨折以外に、鎖骨骨折は新生児の骨折が多いことが特徴的である。
新生児が産道を通る時、両肩に力がかかるので鎖骨が折れてしまうのだ。これは、骨の形成が不十分(骨の成長は20才ぐらいまで続く)なためとされている。特に、逆子で生まれる場合、腕を上に上げた状態となって不自然な力が加わるので、骨折の危険がより高まることになる。 骨折すると・・・
・ 肩が落ちる
・ 痛みで腕を上げることができない
・ 無理に上げようとすると、骨が砕けるような「ゴリゴリ」感がある
・ 骨折部位が変形したり腫れたりする 治療法

1.鎖骨固定帯で肩の形を整えて固定、三角巾などで腕を固定し安静にする

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2.手術
骨折部位にワイヤーを入れ固定する。  ワイヤーで不十分な場合、プレートも併用する。

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<手術でワイヤーを挿入したところ>

手術は全身麻酔で行い、30分から1時間で終わる。
その後、1週間から2週間の入院となり、抜糸をめどに退院することが多い。
鎖骨自体が皮膚表面に近く、入れたワイヤーが飛び出すこともあるので、退院後はワイヤー両端からの感染には気をつけなければならない。経過が順調であれば、術後3ヶ月程度でワイヤーを抜くことになる。ただし、ワイヤーの飛び出し具合によっては、早めに抜くこともある。
この時の手術は、局部麻酔で行う。
プレートも入っている場合は全身麻酔となる。
一般的に骨の成長が止まっていない子供は方法1、おとな(年齢が高いほど)は、方法2の手術が多い。
なお、手術のほうが治りが早く、社会復帰も速やかにできる。ただし、体内に異物を入れることになるので、ワイヤー・プレートを取り除くまで痛みや不快感に悩まされるのも事実だ。
完治までは4週間から12週間。骨折の部位、程度、年齢などにより差がある。痛みが無くなったら、速やかに肩回りの可動域の確保と筋力回復のためにリハビリを開始する。
ただし、無理は禁物。骨の形成具合でリハビリも変わってくるので、医師の指示に従うことが大切だ。

 

サッカーの試合中に折った鎖骨の治療記録(時系列)